「REIT(リート)」とは 【後半】

2015.3.4

「REIT(リート)」とは 【後半】

前回の不動産コラムでは「REIT(リート)」の仕組みと、一般の株式などと比べた場合のメリットをお伝えしましたが、もちろん良い面ばかりでなくリスクも考えられます。
今回は、REITのリスクについてまとめました。

①不動産市場のリスク
運用している不動産は、もちろん不動産市場の影響を受けます。
不動産市況によっては、価格や分配金が変動するリスクがあります。

⇒不動産の過去の稼働率や賃料水準などの運用データをみるとことで、マーケットの影響度を確認できるので、似たような銘柄のポートフォリオと比較することも不動産市場のリスクを回避するためには有効な手段の1つです。

②金利変動リスク
投資家から資金を集めるほか、金融機関からの借入も行い資金調達をしている場合もあります。
この場合、金利の変動は収益に影響を及ぼす可能性もあり、価格や分配金が変動するリスクがあります。

⇒REITの成長プロセスの1つに、「物件取得」→「ローン増加」→「LTV上昇」→「増資」→「LTV低下」というサイクルが考えられます。(LTV:有利子負債比率)
つまり、LTVの平均的な水準がどのレベルなのか、という点を確認することが必要です。一般的にはLTVを40~60%の水準で維持していることが多いです。

③倒産リスク
一般法人同様に、倒産するリスクがあります。このリスクが表面化した場合、価格が著しく下落する可能性があります。

⇒有価証券報告書、所有不動産やスポンサー企業との関わりをよく調べ、倒産リスクが低く、安全性の高い銘柄を選別・検討した方が良いでしょう。

REITを選ぶ基準は様々で、運用方針によってどの銘柄を選ぶかが大きく異なってきます。
例えば、積極的な運用をする場合は配当利回りに着目して銘柄を選ぶことも考えられますし、安定的な成長を求める場合は好決算銘柄をスクリーニングしてみるのも手でしょう。
リスクを抑えたい場合には、投資物件を多数保有しているREITや、REITに分散している投資信託を選択することも有効です。

REITは元本や利回りが保証された商品ではありません。
REITに限ったことではありませんが、投資を行う際にはリスクを知り、リスクと上手く付き合っていくことが大切です。
重要なことは自分のリスク許容度にあった銘柄や投資手法を選ぶことなのです。